沖縄の高校力 Dream INTERVIEW
那覇商業高校 羽地 若菜さん
開邦高校 島袋 莉子さん
写真右:羽地 若菜さん 写真左:島袋 莉子さん
かりゆしウェアのデザインを通して将来への新たな道を見出す
沖縄の県産品のひとつとして親しまれている「かりゆしウェア」のデザイン制作を通しての若い世代のかりゆしウェアの認知向上、将来の担い手育成を目的に毎年開催されている「学生かりゆしデザインコンテスト(STUDENT KARIYUSHI DESIGN CONTEST)」が今年度も開催され、応募総数3,480作品中20作品、学校賞5校が選出されました。グランプリ(カジュアルシーン・ビジネスシーン)を受賞した2名の作品は県内企業とのコラボ商品として実際に製品化・販売されています。
祖母、母と三世代で楽しんできた裁縫の趣味が受賞に
カジュアルシーンの部門でグランプリを受賞した羽地若菜さんは、裁縫が趣味で小さな妹の服を手作りするなど、普段から服作りに関心があったという。「家庭科が大好きで、授業で作ったデザインを出品したんです。まさかグランプリに選ばれるなんて思っていなかったのでびっくりしました。裁縫は好きだけど、自分がデザインした服がお店で販売されることは想像もしていなかったのでとてもうれしいです」 裁縫の師匠は母親。母は祖母の影響ではじめたといい、祖母、母、娘と三世代に渡って服作りを趣味にしている。「今回賞をいただいたことで家族もとても喜んでくれました。お店で販売しているのを見に行ったりして家族の絆が強くなった気がします」
あいまいだった将来の夢がはっきりと鮮やかになった
ビジネスシーンの部門でグランプリを受賞した島袋莉子さんは美術コースでデザインを学んでいる。パソコンを使ってテキスタイルデザインを制作する授業の一環でコンテストに参加した。 受賞の報せを受け取ったときは、自分が本当にやりたいことはなんだろうと将来の夢に対して悩んでいた時期だったという。「デザインが好きで美術を専攻したのですが、これからも美術の道を進むのか、卒業後の進路はどうしようか迷っていました。でも受賞をきっかけに自信が持てて、やっぱりデザインの道を究めたいと思うようになりました」と話し、大学に進学してさらに美術を学ぶことを決意。それまでぼんやりとしていた将来の目標が確かなものとなった。今回限りのコラボだけでなく、さらに多くの作品が店頭に並ぶ日も近いかもしれない。
沖縄の歴史と未来への思いをこめてデザインした島袋さん。「ぜひたくさんの人に着てもらいたい」と語った
「将来どんな仕事に就いても洋服制作はライフワークとして続けていきたい」と話す羽地さん。
沖縄の高校力 2021 那覇商業高校 羽地 若菜さん・開邦高校 島袋 莉子さん
羽地 若菜
Haneji Wakana
那覇商業高校 商業科3年。
グランプリ受賞。かりゆしウェアというと大人が着るものというイメージですが、カジュアルシーンということで、学生でも着られるようなポップなデザインにしました。大好きなパイナップルをモチーフにしています。
着用シーン/カジュアルシーン
島袋 莉子
Shimabukuro Riko
開邦高校 芸術科3年。
グランプリ受賞。戦後の沖縄の歴史を紹介するテレビ番組を見て、カンカラ三線の存在を知り、デザインに取り入れました。缶の模様が波紋に似ていると思って、涼しげで爽やかな色合いにしています。これを着て暑い夏を乗り切ってほしいです。
着用シーン/ビジネスシーン
※学年や実績など、内容は全て取材当時のものです。