【北谷高等学校】追いかけるロマン、 燃える青春。

沖縄の高校力 Dream INTERVIEW
北谷高等学校 科学技術総合研究開発部

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古代の鋼の再現に挑む様子をまとめた『鋼ノ青春』が金賞受賞へ。

ダマスカス鋼の再現に挑む北谷高校 科学技術総合研究開発部。彼らの挑戦の記録である映像が「全国高校生何でも、アリ。Creative Award2021」で金賞を受賞した。一体彼らはどんな活動をしているのだろうか。

「変」に惹かれてスタートした研究活動。

古代インドで製造されていた「ダマスカス鋼」と呼ばれる鋼をご存知だろうか。世界各地で再現を試みられているものの、その製造方法は未だベールに包まれている。そんなダマスカス鋼を再現すべく北谷高校で立ち上げられたのが、科学技術総合研究開発部である。そんな活動に興味を持った上間さんと伊志嶺さん。「どんなことをやっているのか覗いてみたら、凄く変わった先輩がいたんです。あんな変な人、他にいないよね。衝撃でした」と当時のことを笑いながら話してくれた。その先輩というのが同部の設立者であり初代部長の比嘉さんだ。活動内容だけでなく比嘉さんの人柄にも惹かれて入部することになった二人。論文を読んでは仮説を立て、仮説を実証するため鉄を溶かす日々を送った。そんな過程を記録していた動画をまとめた作品『鋼ノ青春』が、「全国高校生何でも、アリ。Creative Award2021」にて金賞を受賞。特に凝った編集はされておらず、活動の過程を淡々とまとめた3分間の短い動画なのだが、彼らの青春がこれでもかと濃縮されている。上間さんは「誰に見せるためでもなく、研究記録のための動画がこうして評価されて驚きました」と話してくれた。『鋼ノ青春』、胸を打つ熱さが詰まった作品なのでぜひ見てみて欲しい。

鋼の研究が沖縄を救うきっかけに?

現在、科学技術総合研究開発部では沖縄に漂着した軽石の再利用について研究を行っている。ダマスカス鋼の再現から随分離れた研究に思えるが、実は繋がっているのだ。「砂鉄が欲しくて集めていたときに、軽石が磁石にくっつくことを発見したんです」と上間さん。そして軽石の成分を調べていくと鉄分が含まれていることを発見。伊志嶺さんは「磁石などを使えば簡単に回収できるのではないかと考えてます」と話す。そして同時に、塩分が含まれているため用途が限られていると考えられていた軽石に、塩分が一切含まれていないことも分かった。この発見により用途の拡大を図れるのではないかと研究を進めている彼ら。マスコミでも取り上げられ大勢が困っている軽石問題、解決に導くきっかけとなる発見かもしれない。今後に注目していきたいところだ。「軽石の研究がある程度まとまったら、またダマスカス鋼の再現を目指したいです。あと部の今後を担う後輩の育成も頑張りたいので部員を募集しています!」と笑顔で今後の展望を語ってくれた。

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磁石を使った自作の装置で集めた砂鉄。これらを原料にダマスカス鋼の再現に挑んでいる。

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沖縄全土で問題となっている軽石。彼らの発見が困っている人々を救うことになるかもしれない。

沖縄の高校力 2022夏 北谷高校 科学技術総合研究開発部

(写真左)伊志嶺 一樹
Itsuki Ishimine
沖縄県立北谷高等学校 普通科2年。

(写真右)上間 友愛
Yura Uema
沖縄県立北谷高等学校 普通科2年。

※学年や実績など、内容は全て取材当時のものです。

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