沖縄の高校力 Dream INTERVIEW
●中部農林高等学校(マジック同好会)
(左上)照屋 秀蓮 Shuren Teruya 園芸科3年(中央上)仲井間 大空 Sora Nakaima 福祉科3年(右上)山根 芽 Mei Yamane 園芸科3年(中段左)川畑 翔 Kakeru Kawabata 福祉科3年(中段右)石川 駿 Shun Ishikawa 福祉科3年(下)𠮷井 謙渉 Kensho Yoshi 福祉科3年
人前が苦手だった僕たちが、誰かを笑顔にする側になった。
友達同士で立ち上げた、部員6名のマジック同好会のはじまり。
沖縄県立中部農林高等学校に「マジック同好会」が誕生した。発起人の吉井くんは、小学生の頃に見たマジックに心を奪われた経験を持つ。「みんなを驚かせてみたい」というシンプルな想いから始まり、中学時代に本格的に学び始め、少しずつ技術と経験を増やしていった。もともと人と話すのが得意ではなかったが、マジックを通して「人に楽しんでもらえること」や「場を盛り上げる喜び」を知るようになる。そして、披露する場を設けるため友達同士で部員6名のマジック同好会を立ち上げた。最初はトランプすら触ったことのないメンバーもいたが、吉井くんが中心となり、互いに教え合いながら成長していった。いつでも動画閲覧して手品の研究ができる時代だが、やはり対面でゆっくり何度でも教えてもらえる環境だからこそ成長スピードは早い。マジック披露の場は一人で完結するものではない。設営やアシスタントなど、裏側も含めたチームプレーで成り立っている。小さな同好会は、互いを支え合うチームへと変わっていった。
地域の中で“驚き”を届けながら、少しずつ広がっていく活動。
2年生になると、地域からボランティアでのマジック開催依頼が届くようになった。公民館や児童福祉施設での披露では、子どもたちが「なんで!?」と驚きの歓声を上げる。その反応が、活動の原動力そのものだ。さらに、部員の石川くんが手がけるバーチャル花火大会の前座として約50人の前で披露する機会もあった。小さな子どもたちはもちろん、大人のリアクションが会場の空気を一気に変え、舞台をつくりあげる喜びを実感した。この花火大会は、音や移動の負担を軽減し、誰でも楽しめる場を目指したもの。石川くんはある花火大会で「大きな爆発音が戦争の記憶を呼び起こしてしまう」という老夫婦の会話を耳にした。なんとか安心して花火を楽しむことができないか?と考えた末、バーチャル花火大会を運営している知人と力を合わせ開催することを決意した。そんな場所で、彼らのマジックもまた誰かの笑顔を生み出していた。現在は、ストリートマジックや部活動化を目標に活動を続けている。後輩がいないという課題はあるものの、新聞への掲載やクラウドファンディングの立ち上げなど、着実に実績を重ねて広がりを見せている。マジックは、人と人をつなぎ、自分自身を変えていく力を持っていることを教えてくれた。
部員それぞれマイトランプを持っていて、練習に余念がない。
マジックショーを盛り上げる小道具の数々。
沖縄の高校力2026 中部農林高校 マジック同好会
※学年や実績など、内容は全て取材当時のものです。













