沖縄の高校力 Dream INTERVIEW
豊見城高等学校 砂川 裕哉さん(ウエイトリフティング部)
個人競技だからこそ、家族の応援が力になり、全国7位につながりました
小学生は柔道部、中学でのハンドボール部を経て、高校で重量挙げの世界に身を投じた。
持ち前の素直さと持続力で県内トップアスリートにまでなった軌跡を追ってみる。
セコンドに付いたからこそ「選手として出たい!」と思えた
きっかけは友人からの誘いだったという。「どんな競技かな?」くらいの軽い気持ちで始めたウエイトリフティングだが、淡々と練習をこなし、3年間で順調に力をつけ、やがて沖縄大会・九州大会優勝のタイトルを得る。顧問・幸地大志教諭も「とにかく素直な選手」と練習姿勢を高く評価する。しかし素直であるが故、欲に欠いた部分もあったという。1・2年生時は同級生と比べても抜きんでた結果は出ていない。意識が変わったのは、先輩の出る大会でセコンドに付いた時だったと振り返る。大舞台に立つ先輩のサポートに徹して、「やっぱり自分も選手として、この場に立ちたい!」と思えたと。「結果が数字に出て楽しかった!」持ち前の素直さでメキメキと記録を伸ばした。そして3年生になって九州大会で優勝し、全国高校総合体育大会に活躍の場を広げる。迎えるは地元沖縄で開催される「感動は無限大 南部九州総体 2019」、高校3年間の集大成を成し遂げる。
つちかった持続力・精神力を生かして、父親の背中を追う
とはいえ日本中から強者が集う「全国大会」、ましてや高校で始めたウエイトリフティング、緊張しないわけがない。なぜ7位入賞という快挙を成し遂げられたのか? もうひとりの顧問・岩崎朝美教諭は日ごろから「周囲に応援されるような選手になろう」と部活動を通して指導している。つまり、結果求める前に日常生活を整えなさい、と。日々の指導もあってか「家族や親せきの応援があったので力が発揮できた!」と周囲の応援への感謝が堪えない。そんな彼が次の進路としたのは、父親のような警察官になること。国体7位の実績があれば、大学へのスポーツ推薦の話も当然あるはずだが、専門学校への進学を選んだ。アスリートとしての欲はなかったのか?と問えば、「父親の働く姿をみて、楽しそうだったから」と人柄を伺わせる。一方で「もう減量しなくて良いので、食べたいものを食べます!」と高校生らしい一面も。次のステージが素晴らしい物になる事を願う。
フォームに入ると室内の空気が張り詰める。目の前でみると、瞬間的な爆発力に息を飲む。
たんたんと語る語り口は、全国大会という大舞台を乗り越えてきたとは思えないほど穏やかなもの。
沖縄の高校力 2020 豊見城高校 砂川裕哉くん(ウエイトリフティング部)
砂川 裕哉
Yuuya Sunagawa
豊見城高校ウエイトリフティング部。
全国高校総合体育大会「感動は無限大 南部九州総体 2019」重量挙げ61キロ級7位入賞。
中学まではハンドボール部に所属、高校より競技を始める。
【実績】
◎ 全国高校総合体育大会「感動は無限大 南部九州総体 2019」
男子重量挙げ61kg級 7位入賞
◎ 令和元年度 第73回 全九州高等学校
ウエイトリフティング競技大会 61kg級 優勝
◎ 平成30年度 第27回 全九州高等学校
ウエイトリフティング競技選抜大会 61g級 優勝
※学年や実績など、内容は全て取材当時のものです。