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かけがえのない仲間たちと未来につながる音楽を届けるミクスチャーバンド
音楽という共通の「好き」が引き寄せた「運命の出会い」。
大好きな仲間たちと走り続けた21年間。かけがえのない高校生活を送る若者にHYが伝えたいこととは?
Interview
“More Local, More Global” をモットーに幅広いファンを魅了するバンド・HY。
地元うるま市をこよなく愛するメンバーが高校生でファーストアルバムをリリースし
オリコン総合チャート初登場1位を獲得し、ミリオンセラーへと光り輝く。
海外ツアーや、NHK紅白歌合戦を経て、世界へ音楽を発信し続けている。
改めて沖縄に根づくHYに夢を追いかけることについて聞いてみよう。
メンバーが出会ったそれぞれの音楽
ボーカル・ギター担当の新里英之(以下新里)は、父親がバンドマンだったこともあり、物心ついた時から手を伸ばせば楽器がある環境に育つ。幼馴染みがギターを弾き始め、そのカッコよさに衝撃を覚える。二人は手探りでギターを弾き、当時好きだったバンドの曲を練習しながら「楽譜を見てギターを弾くことができる」成功体験が、彼らのモチベーションへと繋がっていく。
ベース担当の許田信介(以下許田)は兄の影響で親に頼み込んで買ってもらったギターに三日で飽きてしまったが、ギターより弦の数が少ないベースの弾きやすさと重厚なサウンドに魅せられていく。
「自分は音楽とは遠いところにいた」と語るドラム担当の名嘉俊(以下名嘉)。家族の影響もあり、医療系の仕事に就くものだと考えていたが、中学時代に新里に出会い音楽への道が開かれる。
名嘉の従姉妹にあたるキーボード・ボーカル担当の仲宗根泉(以下仲宗根)も、新里と同様に音楽に囲まれて育つ。
小学校3年生の頃、家に帰るとキーボードが置かれていて父親が突然「家族バンド」をやると宣言。厳粛な父親の言うことは「絶対」で、仲宗根は有無を言わさずキーボード担当に。60年代の古い音楽のカバーが多かったため、馴染みのうすい仲宗根には「苦痛でしかなかった」という。
音楽を通じて手繰り寄せられたメンバーたち
中学時代から本格的にギターにハマっていく新里と宮里。しかしハマればハマるほど次第に成績が下がった新里は、両親から塾に入れられてしまう。その塾に通っていたのが名嘉だった。奇遇にも塾講師の趣味がギターで、休憩時間に教えてもらうことで名嘉もギターの世界へと引き込まれていった。
自然と新里、名嘉、宮里の3人は仲良くなり一緒に行動するように。そんなある日、3人で釣りをしながらギターを弾いていて「3人全員がギターを弾く」スタイルに疑問を抱き、話しの流れで名嘉がドラムへと転身。バンドが小さな産声をあげた瞬間だった。
苦痛だった音楽に光が灯りアーティストとして生きる決意を固めた仲宗根
家族バンドのために父からキーボードの練習を強いられていた仲宗根。ある時、メロディーに合わせてハモることで歌うことの楽しさに気づく。苦痛だった練習から歌うことの喜びを見出した仲宗根は、いつしかシンガーソングライターになる夢を抱く。
中学に入り思春期を迎えた仲宗根は、恋に落ちた相手に思いを伝えるために曲作りに励んでいた。なぜって「そうすれば相手に気づかれず気持ちを伝えることができる」から。
同じ学校に通う歌が上手だった従姉妹と放課後に2人でハモリながら歌ってみると、いつの間にか歌声に魅せられた生徒たちに囲まれるようになっていた。すると、次第に生徒から恋愛相談がくるようになり、内容を聞いて生徒たちの思いを即興で作って歌う2人のユニットは校内の人気者に。
卒業式では学校からの依頼で男女混声の曲を完成させる。この頃から仲宗根はシンガーソングライターを「憧れ」ではなく「自分のあるべき姿」と捉えていた。
高校3年生でついにHY結成!
オリコンチャート1位やNHK紅白歌合戦の出場。走り続けた栄光と越えられなかった壁
高校に入るとメンバーたちは急速に近づいていく。従姉妹同士の縁で仲宗根は「東屋慶名」として活動していた新里、宮里、名嘉の3人のバンドの楽曲にコーラスやアイデアを出すなど、サポートメンバーとして参加する機会が増えていた。仲宗根は型にはまらない彼らの自由な音楽性に惹かれ、ともに音楽の道を目指してきた従姉妹に自分の正直な思いを伝え、ユニットを解散し東屋慶名に正式に加入することに。仲宗根と同じ高校に通い知り合った許田も、ベースがいなかったバンドへ自然と合流していった。
高校生活のほとんどを音楽に費やし、それぞれ進路を考える時期になった3年の時「最後の記念に」曲を作りライブをしたことをきっかけに音楽の道へ進むことを決意。放課後に路上ライブをこなし、空き時間に曲を作るという多忙な生活を続けファーストアルバム「Departure」をリリースする。セカンドアルバム「Street Story」がオリコンチャート1位となり話題を呼ぶ。
しかしツアー続きで多忙な状態が続いていたHYのメンバーたちは1位になった嬉しさよりも「沖縄に帰りたい」思いが強かった。2度のNHK紅白歌合戦出場など華やかな成功とは裏腹に、彼らに越えられなかった大きな壁がホームシック。「ツアーでファンに出会う喜びはもちろん大きかったけど、那覇空港から離陸する時が一番辛かった」とメンバー全員が声を揃えた。
見て見ぬ振りして手に入れた成功を続けるか、自分たちのスタイルに正直に向き合った活動にシフトするか。バンドとしての岐路に立つことになる。
敷かれたレールを進んだのちに原点へと戻るHY
好きなことをとことんやり続ける大切さを伝え続ける
自分たちが歩んできた道をそのまま続けていけば安定した仕事や未来があるかもしれない。それでも年齢を重ねるにつれ深まる「沖縄」への切実な思い。そんな葛藤を抱えながら見いだした「HYがHYであるために自分たちで未来を描く」揺るぎないヴィジョン。
大好きな音楽を大好きなメンバーと一緒にとことんトライしていく。そこにリスクや不安も出てくるかもしれない。でも彼らには「メンバーがいるから大丈夫」という確固たる自信があった。
高校3年生から走り続けた彼らは拠点を沖縄へ戻し所属事務所から独立する。「素敵な仲間と出会い自分たちが見てきた美しい景色を、音楽を通じてたくさんの人に伝えていきたい」。
変わらず描いてきた思いが、多くの人を魅了するHYの音楽へと繋がっている。
夢なんてなくたっていい
自分の「好き」に向き合って一生懸命続けることが大切
将来について考える高校生にHYが伝えたいこととは?
― 許田
「高校生になると進学や就職とか人生の岐路にぶち当たるよね。それまでに興味のあることを一生懸命やってほしい。三度の飯より大切なものが将来に繋がると思う」
― 名嘉
「好きなものはいっぱい持っていていい。一つに絞る必要はまだなくて、その中から『これだ!』と思うものを待つことも大切。今はいろんな情報も手に入りやすいし可能性に溢れてる。好きなものを見つけてワクワクする気持ちに寄り添えば、進むべき道が見えてくると思う」
― 新里
「つづけることの大切さってあるよね。ひょっとすると今やっていることが描いてたものと違うっていうことも経験していくはず。でもその中で楽しめることが絶対にあるはずだから、それを見つける努力は必要。夢なんてなくていい。夢ってデッカく見えすぎて捉えづらいところがあるし、そんなときは『自分がどういう人でありたいか』を想像してみるといいかも」
― 仲宗根
「嫌なことや自分は絶対やらないことのなかに、ひょっとしたら夢があるかもしれない。私自身『いちばん嫌』だったピアノを今は仕事にしている。あのとき嫌だったことを一生懸命やったってことは事実。努力したことが点と点で繋がる日が必ず来る。だからいろんなことをやってみて。20歳すぎるとあっという間に過ぎてしまうから」
人生の大きな岐路を迎える多感な時期の高校生に、彼らが伝えたい思いは「好きなことに正直でありつづけること」。
好きなことはひとつだけじゃなくたっていい。
目の前の「好きなこと」を一生懸命やっていけばいい。
自分の奥底で芽生える数多な「好き」がやがて自分の未来に繋がっていくから。
そんな彼らのエールが、たくさんの人に勇気を与えてくれるのだろう。
音楽を織り交ぜて伝えたい沖縄の未来、子どもたちの未来、そして未来に向けて。
こうありたいと思うHYの姿。
HYは音楽活動を続ける傍ら、大好きな沖縄の未来について考えるようになる。
地元の小学校の課外授業では『そこにあるべきではないもの』という彼らの楽曲を掘り下げて子どもたちとゴミ問題について考えたり、地域の人たちと一緒にビーチクリーンをしたり。沖縄や子どもたち、ひいては地球全体の未来を考える活動「HeartY」をスタートさせた。眉間にシワを寄せたくなる問題も、音楽を通じて考えることで身近なトピックにし、誰もが気軽にコミットできるような流れをつくりながら明るい未来をめざす。
世の中は困難な時代へと突入している。コロナ禍で想像以上に活動制限されながら日々模索することが続く社会で、彼らが心がけるのは「活動をやめないこと」。
動画配信でファンとのつながりを深め、空いた時間に自分たちを見つめ直すリミックスアルバムの制作に取り組む。とどまることを知らず「好き」と向き合っている。
これから先の20年は、音楽のあり方も想像もできないほど変わるかもしれない。
「音楽も多様化しているから、もっと人に寄り添える音楽を作っていきたい」と語ってくれた。
Profile
HY(エイチワイ)
メンバーは新里英之(Vo & G)、名嘉 俊(Dr)、仲宗根 泉(Key&Vo)、許田 信介(Ba)の4人。
バンド名の「HY」は、彼らの地元・東屋慶名(Higashi Yakena)の地名が由来となっている。
沖縄を活動の拠点として日本全国・世界へと音楽を配信。
インディーズでオリコンチャート1位を獲得し、2度のNHK紅白歌合戦出場。
音楽活動の他にも子供や地球の未来のためにできることを考える活動「HeartY」を主宰し、SDGsに通じる活動も積極的に参加している。
information
HY初のリミックスアルバム
HONEY meets ISLAND CAFE presents
HY Ocean Blue Sound -The Surf Remixes-
大人の女性に人気のビーチライフスタイルマガジン『HONEY』が監修し、“海を愛するすべての人たちへ”をテーマに展開されるサーフミュージックブランド「HONEY meets ISLAND CAFE」と、海を愛するHYとのコラボレーションRemixアルバム販売中!!
HYの楽曲から“海”をテーマにセレクトした全7曲を、新たにサーフRemixとして収録!
Remixを担当するのは、「HONEY meets ISLAND CAFE」のMIXアルバム全作品を手がけるDJ HASEBE!
HYメンバーのヴォーカルと、DJ HASEBEのサウンドとの融合が、新たな境地を感じさせる夏にぴったりの作品に仕上がっております!
information
【HY SKY Fes 2020→2021 & 前夜祭】
12月12日(日)沖縄にて開催!
HYが主催する「HY SKY Fes 2020→2021 & 前夜祭」が12月12日(日)に沖縄県総合運動公園・多目的広場にて開催いたします!!
さらに12月11日(土)には前夜祭も開催!
中高生はチケット2,000円! 小学生は入場無料ですので、ぜひご家族・お友達でご来場ください!
【出演アーティスト】
HY/アカネキカク/大城美友/KICK THE CAN CREW/肝高の阿麻和利/清水翔太/ファンキー加藤/MASA MAGIC
※小学生以下入場の場合は要保護者同伴となります。
※中高生入場券は、入場の際にIDチェックを行います。学生証など確認できるものをご持参ください。
取材協力
TERUMA ~east coast~
10月10日にオープンをした、うるま市与那城の新名所!
BBQをはじめ、沖縄初上陸のひもの食堂や多目的に使えるフリースペースなどこれまでにない新たな複合施設となります。
(駐車場あり・トイレ利用可能)
[お問い合わせ]
株式会社NATiON.
☎098-978-5666
〒904-2301
沖縄県うるま市与那城照間1860-1 2F
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Catch the dream 2021.10