沖縄の高校力 Dream INTERVIEW
名護高等学校 普通科1年 稲嶺 瑠琳さん
人との繋がりや大きな夢ができたことで自分の道が広がった!
8月に完成した壁画が話題となり、アーティスト活動を開始。制作時のお話や気になる今後の目標とは?
活動を通して、たくさんの人との縁ができた
壁画から始まり、現在では車のボンネット裏や車庫、紙へのイラストやアートパネルまで様々なものを制作している稲嶺さん。きっかけとなったのは、辺土名商店街の壁に絵を描く人を募集している企画だったという。その当時、壁や広い場所に絵を描いたことはなかったが、絵は好きだし楽しそうだと思いから参加することに。この企画では与えられたスペースを自由に使えたので、黒いペンキのみを使って周りの植物や風景などから受けたイメージを感じるまま表現していった。授業のない休日を使った計12日間の作業期間中には、うちの壁にも描いてくれないかと声をかけてもらい、その後口コミで知った人や手がけた作品を上げているインスタグラムから連絡が来ることもあるとか。最近は壁画が掲載された新聞を読み、東京から手紙を送ってくれた方がいたそうで、「県内だけでなく県外にも見てくれた人がいることにびっくりしたし、とても嬉しい。この活動でどんどん人との輪が広がっているのを感じている」と語った。
想像とは違った未来今後の目標は…
道具は絵の内容に合わせて使い分けていて、今回撮影した壁画はスプレーで描かれたもの。細い線を引くものや広範囲に色をつけるものなど多数のノズルを付け替えて使っている。こう聞くと元々画材に詳しかったように思うが、スプレーでの制作は新聞掲載後、カラーでの依頼があったから。色の選択や思うような線を引くにはどうすればいいのか研究したというのだから驚きだ。すでに多くの場所で活動をしているが、彼女はまだ高校一年生。移動手段が限られるため、移動は両親がサポートしてくれている。材料の確保や費用、スケジュールは自分で管理するしっかり者でも「テスト期間には絵を描きたい気持ちと勉強をしなければならない葛藤がある」と学生らしい一面をのぞかせた。
今後の目標について聞くと、「まだ挑戦したことがないのでアスファルトに絵を描いてみたいのと、もっと成長していつか海外でライブペイントや個展を開くことが夢」だと語った。去年の今頃は受験生で、こうなることを想像すらしていなかったが、今は初めて持った大きな夢や人との繋がりに道が広がったと感じているそう。これから多くの技術や知識を吸収していくだろう彼女の未来には無限の可能性がみえる。
大きなハイビスカスが印象的な稲嶺さんの最新作。
缶スプレーの数々。表現したい線に応じてノズルを変えて使用している。
沖縄の高校力 2022春 名護高校 稲嶺 瑠琳さん
稲嶺瑠琳
Ruri Inamine
名護高等学校 普通科1年
※学年や実績など、内容は全て取材当時のものです。