沖縄の高校力 Dream INTERVIEW
那覇西高等学校 谷口 光華さん
ボクシングを初めて、自己管理能力を培うことができた。
厳しい練習や減量も自分自身のことだから頑張れる。
谷口さんが那覇西高校ボクシング部に入部したのは高校1年生の夏、未経験からの新たな挑戦だった。しかし、あっという間にその才能を開花させた。まずは高校新人大会で準優勝。その後、選手権大会で優勝、最優秀選手賞を受賞と華々しい成績を残している。部員はひとり、リングが無い練習環境で、わずか1年間のトレーニングで沖縄県バンタム級のチャンピオンに登り詰めた。トレーニングは平日の週2、3日に数時間の基礎練習、土日祝日は他校や奥武山公園のリングでの合同練習へ参加する。オンとオフをはっきりさせ、量より質を大事にしているそうだ。減量時期には62キロから56キロを目指し、6キロの減量が必要だ。脂質を減らした野菜中心の食事に変え、カロリーや水分量を自分自身で管理している。2キロの減量までは順調だが、残り4キロが厳しい。食べ盛りな高校生であることは変わりはなく、友人たちと過ごすお昼休憩時間の事を伺うと「美味しそうに食べる様子をわざと見せられた時はさすがに怒ってしまいましたね」と苦笑い。そんな苦しさは無駄にはならず、しっかり成果として現れることがボクシングの魅力だと語る。
たくさんの人に応援され、支えられていることに気がついた。
父親の仕事の都合で那覇西高校入学と同時に、沖縄へ引っ越してきた。環境の変化に戸惑いを隠せず、ピリピリとした時期が続いた時もあった。そんな時、話し相手になってくれたのは生徒指導の平安山良太先生だった。教師と生徒ではなく、人として親身に接してくれたことが嬉しかった。またボクシングは選手のメンタルが非常に大切だ。谷口さん自身の気持ちを尊重し、練習に付き合ってくれて、冷静なアドバイスをくれる顧問の仲村泰洋先生、合同練習や試合会場まで送迎してくれる長濱志保先生たちに支えられていることを感じた。そして、忘れてはいけないのは両親の存在だ。「自分のことは自分でしなさい」と愛情があるからこそ厳しい教育を受けてきた。しかし、衣食住のサポートはもちろん、減量中も食事を気にかけてくれることにとても感謝している。今ではたくさんの友人にも恵まれ、充実した学校生活の中、ボクシングに打ち込んでいる。たくさんの支えと応援を受けて「次は県外チャンピオンとの戦いに勝って恩返ししたい」と静かなる闘志を見せてくれた。
仲村先生とリングの無い場所でミット打ちする谷口さん。響き渡るパンチの音が闘志を感じさせる。
「俺たちのヒーローだ。」3名の先生たちのからの言葉から期待の大きさを伺い知れる。
沖縄の高校力 2021 那覇西高校 谷口 光華さん
谷口 光華
taniguchi koka
普通科3年。飽きやすい性格の谷口さん。どうしても練習に気持ちが入らない時や減量で苦しい時やプレッシャーを感じる時もある。そんな時は音楽(エミネム)を聞いて自分を奮い立たせている。
※学年や実績など、内容は全て取材当時のものです。