沖縄の高校力 Dream INTERVIEW
糸満高等学校 柔道部
写真前列:小林 幹明さん 後列左:東江 優生さん 後列中央:金城 樹音さん 後列右:嘉数 あきさん
ゼロからはじまった柔道部ひとつひとつ技を覚えてそれぞれに高みを目指す
恩師を追って糸満高校へ親友とともに柔道部をスタート
小林くんと東江くんは家が近く、幼い頃から親友同士という間柄だ。先にはじめたのは小林くん。小学生の頃、父親に連れられて近所の道場に見学に訪れ、大柄な大人が投げ飛ばされる勢いや音、その迫力に圧倒された。那覇西、豊見城南高校で指導し、世界選手権銀メダリスト七戸龍選手など数多くの柔道家を育てた横田三四郎氏が着任することを知って糸満高校進学を決意。強豪校で切磋琢磨し夢を叶える道もあったが、恩師のもとで一から柔道部を作り上げていく道を選択した。 小林くんに誘われて入部を決めた東江くん。将来は警察官を目指しており、やはり夢を叶えるために必要なスキルのひとつとして柔道をはじめた。「体を鍛えるだけじゃなく、精神的にも成長できるところが柔道のいいところだと思います。礼節も大事にしているので、自然と礼儀が身に付きます。『礼に始まり礼に終わる』という言葉のとおりで、試合の勝敗以外の部分が重要だと実感しています」と話す。
はじめての大会で緊張しながらも柔道の楽しさをあらためて知る
女子部員の嘉数あきさんと金城樹音さんも元々仲が良い友人同士だ。嘉数さんも東江くん同様警察官を目指しており、高校に入学してすぐに部活動を探しはじめた。創部したての柔道部に興味を持ち、金城さんを誘って部の扉を叩いた。 「人数も多くないし、はじめてのことが多くて、最初は戸惑いましたけど、仲間ができたことがうれしくて、みんなで一緒に強くなろうという絆があったので頑張れました」 柔道の知識をほとんど持っていなかった金城さんも、今ではすっかり柔道に夢中になっているという。「背負い投げとか大外刈りとか、テレビでしか見たことがなかったような技ができるようになると感動で、もっといろいろできるようになりたいという気持ちになれます」と笑顔を見せる。 昨年は新型コロナウイルスの影響で部活動が制限されることも多かったが、オリンピック選手や世界的に有名な柔道家が動画サイトにアップしたチャンネルを見ながら自宅でトレーニングするなど、難しい環境の中でも工夫を凝らしてレベルアップしてきた。 今年1月の県大会で優勝し、全国大会に進出した際、他県の選手たちとの体力の差に気づいたという小林くん。勝負が長引いても集中力を切らさず全力で闘えるようフィジカルを重点的に鍛えた。「創部したばかりで、人数が少なくても関係ない。全国の舞台で闘うための力をつけていきたい」と力強く話した。
互いに技をかけあいながら切磋琢磨し日々鍛錬を欠かさない
文武両道で知られる糸満高校で新たに創部された柔道部
沖縄の高校力 2021 糸満高校 柔道部
小林 幹明
Kobayashi Mikiaki
糸満高校3年。第43回QAB紫雲旗争奪全国高等学校柔道選手権大会沖縄県大会 男子個人60g級 優勝
※学年や実績など、内容は全て取材当時のものです。