【社会見学】図書館司書のお仕事

【社会見学】図書館司書のお仕事

こんな会社で働いてみたい!理想の仕事場へおじゃまします

図書館司書は地域や大学の図書館などで本の管理や利用者への対応を専門的に行う人のこと。
図書館にならぶ一般書から専門的な学術書まで幅広いジャンルの知識が必要とされる責任のある仕事。
一般的には「本の貸し出し」がイメージしやすいけど日々新しい書籍が出版されるなかで蔵書にふさわしいものを選んだり本のメンテナンスやたくさんの人に借りられるための企画を考案したり利用者から見えないところで奮闘している。
今回は、ビジネスエリアや多文化コーナを担当する「奉仕班」と郷土資料を扱う「資料班」で働く二人の図書館司書の1日をのぞいてみよう。

ビジネスエリア・多文化エリア、障がい者サービス担当:野波 茉由子さん

本を借りるだけの場所ではなく誰にとっても 必要な「情報と人の出会いの場」を提供したい

沖縄県の職員として図書館に配属された野波さんは、最初の3年間「移民コーナー」を担当して沖縄のルーツを辿る本を漁るように読みふけっていた。図書館の仕事に魅了される中で、説得力のある立場で仕事に携わる必要性を強く感じ、仕事をしながら通信講座を受けて図書館司書の資格を取得。現在は【奉仕班】として展示やイベントの企画などを主な業務としている。奉仕班の重要な業務の障がい者サービスでは、目の見えない利用者が本以外でも楽しめるように点字や凸凹がある素材を使った玩具を紹介したりしている。また、来館が困難な利用者向けに郵送サービスも行っている。「本の郵送サービスを通して利用者の方と何度かやり取りをする中で、感謝のコメントをもらった時は本当に嬉しく、それがやりがいになっています」利用者との交流がきっかけで図書館が『本の貸出機能』だけでなく『情報や人との出会いの場』であることを認識した野波さん。「将来的には図書館のサービスを通して、多様な人々がさまざまな情報に触れ交流できる場づくりをしていきたい」そのためには図書館の存在感をより高めていく必要がある。「誰にとっても必要な場所であるように個人としても力をつけていきたい。そして、チームと連携して図書館の在り方を学び続けていきたい」と未来への抱負を語ってくれた。

野波さんの1日の仕事の流れ

❶展示コーナーの整理整頓

海外の絵本のコーナーで書棚の整理整頓。本の状態を確認したり取りやすい高さに配置したり、常に利用者の目線でサービスを心掛けている。

❷レファレンスのお仕事

レファレンスでは利用者からの検索の問い合わせに応えたり、イベントの企画や資料の選定をしている。

❸情報共有が肝! 班会議

利用者への質の良いサービスを行うためには情報の共有がチームワークの要。週に1度開催される大事な班会議の準備は怠らない。

❹奉仕の心を大切に

視覚障がい者向けの玩具を用意し、様々な背景を持った人々が楽しめる場を作っている。図書館に来る事が困難な利用者へは郵送サービスを行なっている。

業務スケジュール

午前中は主に図書館に並べる新しい本の選定を行っている。プライベートでは週に2~3回プールやジムに通い、アグレッシブに動けるよう体力維持にも気をつけている。またネットサーフィンは欠かさず常に情報収集を怠らないようにしている。

●高校生にオススメする本

眉屋私記(まゆやしき)
作者:上野英信 出版社:潮出版社

名護の眉屋(まゆが美しいといわれた一族)の話。一族が没落し長男がメキシコへ、女兄弟は辻に売られてしまう悲しい家族の歴史。実話だけど物語のように綴られているので読みやすい。当時の沖縄の様子がわかるので是非若い世代の方たちに読んでもらいたい。

Profile

野波 茉由子
Mayuko Noha
ビジネスエリア・多文化エリア、障がい者サービス担当
沖縄県出身。県立開邦高校卒。熊本大学文学部卒業後、2017年に沖縄県職員として沖縄県立図書館に配属。通信教育を利用して図書館司書の資格を取得。探究心が強く、図書館司書として仕事の質を高めていく姿勢が頼もしい。

資料班統括および郷土資料担当:大嶺 花さん

過去から未来へとつなぐ情報の架け橋として時代に合わせたサービスを届けたい

大学時代に図書館司書資格を取得した大嶺さん。市町村の臨時職員として働いていた28歳の時に「図書館司書枠」が公募され、採用枠に見事合格。念願の沖縄県立図書館の図書館司書として就職した。現在は【資料班】に所属し主に郷土資料の受け入れを担当している。利用者が図書館で何気なく手にとった本は、書棚に置かれるまでに長い道のりをたどっている。図書館司書が情報を収集し必要だと判断した本を発注し、入荷したら本にブックカバーをかけて図書館端末システムへ登録し、本にラベルが貼られてようやく貸出しが可能になる。大嶺さんはその一連の流れを統括している。本棚に並んでも借りられなければ人に読まれることはない。世の中の流れにあわせた展示を企画し利用者の興味をひき、一人でも多くの人に読んでもらうための努力を惜しまない。「図書館は過去から未来へと続いていく『情報の蓄積』の場。その一部に関われることが何よりのやりがいです。印刷物の本という形は将来的に無くなってしまうかもしれないけれど、司書として時代に合わせた情報のバトンタッチをしていきたい」と、未来への抱負を話してくれた。

大嶺さんの1日の仕事の流れ

❶魅力的なコーナー作り

展示コーナーではテーマに沿った本をセレクトして見やすいように配置。自分たちで作ったPOP(掲示板)など、コーナーに足を止めてもらえるような工夫をしている。

❷本のPRもまかせて!

館内のレイアウトなど利用者の目にとまる仕掛けも自分たちで行なっている。イラストレーターのソフトを使ってチラシやポスターなどの広告を制作することも。

❸会議の準備

県立図書館内のホールで開催されるイベントや講演会の準備なども担当する。来場者に配布する資料を準備。

❹親身になって相談

レファレンスでの貸出業務は普段行わないが、受付で利用者から調査依頼のあった内容に答えていく。調査依頼がきたら利用者と直接コミュニケーションをはかる。

業務スケジュール

朝は毎日10分間ミーティングを行いコミュニケーションを取っている。映画鑑賞が趣味で映画からの情報収集も大きな財産になっている。疲れたときには大好きなペットの猫に癒やされているとも。

●高校生にオススメする本

沖縄 戦後50年の歩み
ー激動の写真記録ー
作者:沖縄県 出版社:那覇出版社

沖縄の戦後50年のあゆみを写真で紹介した記録本。こんな時代だからこそ沖縄が戦後どのような道を歩んでいたのか振り返って見て欲しい。写真がたくさん使われているので、高校生にもわかりやすいのでオススメ。

Profile

大嶺 花
Hana Ohmine
資料班統括および郷土資料担当
沖縄県出身。県立開邦高校卒。中央大学文学部在学中に図書館司書の資格取得。司書を目指しながら、市町村の臨時職員の経験を積む。図書館司書枠として採用され、沖縄県立図書館にて資料班の統括をまかされている。

★企業DATA

沖縄県立図書館

明治43年8月1日の開館以来、沖縄の「知の拠点」として、県民の文化活動や生涯学習を支援する役割を担ってまいりました。平成30年に那覇市泉崎に移転してからも、設備やサービスの拡充に努めながら、県民の方々がより利用しやすい環境を整えております。今後も県民の多様なニーズに応えるとともに、アジアや世界につながる交流と共生の場として開かれた存在であることをめざします。

●沖縄県那覇市泉崎1-20-1
カフーナ旭橋A街区 3階~6階
☎︎098-894-5858
https://www.library.pref.okinawa.jp
蔵書数:約87万冊

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