沖縄の高校力 Dream INTERVIEW
本部高等学校 喜屋武 柚希さん(空手道部)
実力に見合った目標をひとつひとつクリアしオリンピックに出場したい!
いやいや始めた空手道は九州大会1位の実力に
本部高校空手道部ただひとりの部員、喜屋武柚希さん。小学3年生の時、空手道部外部コーチを勤めるお父さんの影響でこの道へ進んだ。頑なに断り続けたが、いやいや続けているうちに、いつの間にか夢中になっていった。型を覚えることが楽しく、1位になりたいという目標ができ、毎日練習に励むほどになった。朝練と昼休みに筋トレ、放課後は、道場や出稽古にも向かう。ユニークだったのは綺麗な海を見ながら行う砂浜での練習だ。不安定な砂浜が体幹を強化することに繋がり、安定感のある型を作ることができる。練習後は、さらさらな砂浜とオレンジ色に染まる夕日に心が癒され、一気にリフレッシュできるのだと笑顔の喜屋武さん。地道に練習を継続することで着実に力を身につけ、去年の冬に行われた空手道の第40回全九州高校新人大会九州大会南ブロックで優勝という結果を残した。同大会に初めて出場した1年生の時は準優勝、2年生(取材時は2年生)の今年こそは優勝したいと強い気持ちを持って挑み、プレッシャーはなかったそう。悔しい思いを晴らすことができた大会だった。
高い集中力と、ONとOFFの切り替えが彼女の魅力。
その後、進んだ全国大会では1ラウンドで敗退。まだまだ全国レベルの壁は厚く、自分の未熟さに気付かされた。この悔しさを糧に、もっと上のレベルを目指したいと日々練習に励んでいる。目を閉じ深く深呼吸をした後、大きく目を開くと、インタビュー中の柔らかな表情から一変し、力強い表情へと切り替わった。型の名を体育館いっぱいに響かせ、一瞬にしてその場の空気が張り詰めた。ひとつひとつの動きで擦れる道着や息遣いの音、決して微動だにしない眼力を体感し、そこにいた取材人が皆、一瞬言葉を失った。練習が終わると、また柔らかな表情に戻った喜屋武さんに思わず拍手を送った。その様子を遠くから見ていた外部コーチである喜屋武さんのお父さんは今は外部コーチと部員という関係で指導をしている。そんな父へは、結果を残して恩返しがしたいそう。目の前の目標をしっかりクリアし、その先にオリンピック出場を目指したい。そして礼儀作法も学べる空手道をもっとたくさんの人に知ってもらいたい。そのためにはコツコツ地道な練習を続けることが大事だと話してくれた。
外部コーチである父と、二人三脚で行う練習風景。喜屋武さんの表情が一変する瞬間だ。
正座して集中力を高める喜屋武さん(写真奥)。妹(写真手前)と一緒に練習することもある。
沖縄の高校力 2021 本部高校 喜屋武 柚希さん
喜屋武 柚希
kyan yuzuki
普通科3年。学校の成績もオール5! 空手道との文武両道を実現している。
※学年や実績など、内容は全て取材当時のものです。