沖縄の高校力 Dream INTERVIEW
北部農林高等学校(エコ部)
(左上)前原 琉華 生活科学科2年。 (右上)桜川 紺碧 生活科学科2年。 (右中)比嘉 七星 生活科学科2年。 (左下)上里 美月 生活科学科2年。 (右下)山入端 芽依 生活科学科2年。
山城茶の認知度を高め復興を目指す“お茶農家支援プロジェクト”始動!
今年度、エコ部では“お茶農家支援プロジェクト”を発足。活動に至った思いや取り組みを部員たちにインタビューした。
学科の強みと学びを活かし廃棄茶葉で製品開発
伝統ある沖縄のお茶の中でも香りが高く、最高級品種にも匹敵すると言われた県内唯一の在来種のお茶「山城(やまぐすく)茶」の生産が途絶えたのは2013年のこと。生産者の高齢化と担い手不足、製茶工場の故障などが重なり、茶畑の大半が耕作放棄地となってしまった。そんな折、静岡県出身でうるま市内でコーヒー店を営む石川智史さんが山城茶の復興をめざす活動を2020年に開始。その記事を新聞で見たことをきっかけにエコ部で話し合い、「何か私たちにできることはないか」と石川さんに打診したところ快諾してもらい“お茶農家支援プロジェクト”が始動した。今年度の取り組みでは、茶畑の除草作業、木の整枝作業、実生繁殖のほか、農業研究センターを訪ね栽培方法、製茶方法などを学び、並行して廃棄される茶葉を使った製品の商品化に向け試作を行う。部長の前原琉華さんは「生活福祉・調理・保育そして農業及び家庭に関する知識と技術を修得する私たち生活科学科の特性を生かし、PRに力を入れようと話し合いました。課題はありますが商品化を実現させ山城茶のことを多くの人に知ってもらいたいです」と意気込む。
先輩の思いを受け継ぎ桜の保全活動に貢献
さらにエコ部では、4年前より“北農さくらプロジェクト”を実施。これは当時の在校生が、桜の老木化による腐食や台風による倒木被害などの環境問題を知り、「今行動しなければ桜がなくなってしまう」という危機感から始めた活動で、「未来へ残せ、沖縄の美ら桜」をテーマに琉球寒緋桜(カンヒザクラ)を増やすこと、現状を知ってもらうことを主な目的とし、名護市と連携した植栽活動に取り組む。現在は幸地川沿いの桜並木にある桜の木2本と、校内に植樹した2本の里親として部で管理するほか、地域ボランティアの参加や同じ桜プロジェクトに取り組む宮城県内の高校生と情報交換を兼ねた交流活動などを行う。前原さんは「山城茶の復興、桜の保全といった私たちの活動を幅広い世代に伝えたいと思いInstagramを開設したので、ぜひ見てください!」と呼びかける。
山城茶の茶畑にて芽ぞろいや品質、収量を上げるための整枝作業と茶葉集めに励む部員たち。
名護市桜の里親として、今年は校内にも2本の桜の苗木を植樹した。
沖縄の高校力 2024 北部農林高校 エコ部
※学年や実績など、内容は全て取材当時のものです。