沖縄の高校力 Dream INTERVIEW
北山高等学校出身 名渡山 乃愛さん・宜野湾高等学校 宮城 磨和さん

(左)宮城 磨和 Towa Miyagi 沖縄県立宜野湾高校3年 (右)名渡山 乃愛 Noa Nadoyama 沖縄県立北山高校出身
授業中のひらめきが、全国へ。高校球児を輝かせる言葉。
「心をひとつに夢の先まで!」「みんなが誰かの希望になる」この2つのキャッチフレーズは、今年の夏の甲子園を彩るキャッチコピー公募で、グランプリと優秀賞に輝いた高校生たちの言葉。どちらも、特別な場所ではなく、授業中という日常の中で生まれた言葉だった。
アニメから受け取ったものを、言葉にして表してみた。
グランプリを受賞した名渡山さんは国語の課題のひとつとして公募に参加。頭の中に浮かんだのは、アニメ『忘却バッテリー』で見た高校球児たちの姿だった。「バラバラだった選手たちが、だんだん心を通わせてチームとしてひとつになっていくところにすごく感動して。『この感じ、言葉にできるかも』って思ったんです」。そうして生まれた言葉が、「心をひとつに夢の先まで!」。甲子園出場はひとつのゴール、でもそこが終わりではない。夢の先はまだまだ続く、そんな想いが込められている。「受賞を知った家族や先生、地域の人までみんな喜んでくれました。自分の言葉がポスターになるのは少し恥ずかしいような気持ちもあるけど、とにかく嬉しい。開会式にも招待いただけるので、とても楽しみです!」
球児だけじゃない、いろんな人に届く言葉がよかった。
優秀賞を受賞したのは、同じく授業の一環で応募した宮城さん。彼が提出したのは、「みんなが誰かの希望になる」というキャッチフレーズ。「球児はもちろん、彼らを応援している人、たまたまこのフレーズを見た人、いろんな立場の人に届く言葉にしたくて。『みんな』って言葉を入れることで、広がりを出したかったんです」このフレーズは、友達と一緒に相談しながら考えたという。「提出してからすっかり忘れていて、発表されたときは“え、ホントに!?”って感じでした。最初は受賞の実感がなかったという宮城さん。けれど、取材を受けたり、周囲から声をかけられるうちに、少しずつ気持ちが変化していった。「“かいてみるもんだなあ”って思いました。たった一言でも、ちゃんと届くんだなって嬉しくなりました」
「言葉」は、自分の手で世界に広げられる。
どちらの言葉も、特別な場所で生まれたものではない。日常の中で芽吹いた言葉が、全国の球児たちを勇気づけ、観る人の心を打つフレーズになる。今、この文章を読んでいるあなたも、なにげなく思いついたその一言が、誰かの希望になる日がやってくるかもしれない。

遠隔で取材を受けてくれた宮城さん 。 「ちょっと緊張しますね」と愛嬌たっぷり で話してくれた。

彼女と一緒に喜んでくれた家族。「ポスターが届いたら 部屋に飾ろうね!」と笑顔。
※学年や実績など、内容は全て取材当時のものです。