|目指せる学校タグ| #救急救命士
偶然出くわした事故現場で救急救命士にあこがれ抱く
社会見学_救急救命士2021
仲里 聖称さん 救急救命士
浦添工業高校調理学科卒業後、神戸医療福祉専門学校三田校救急救命士学科へ進学。卒業後は地元沖縄に戻り、東部消防組合消防本部にて救急救命士として日々多くの人を救っている。勤続4年目。沖縄ではまだ少ない女性救急救命士として、男性にひけを取らない活躍を見せている。
社会見学_救急救命士2021
社会見学_救急救命士2021
感謝の言葉をもらう瞬間がなによりのやりがい
消防士や救急救命士というと男性が多い職種というイメージを持つ人も多いだろう。実際に、沖縄県内では女性消防士が27名、救命士は20名ほどとかなり少ない。そのうちのひとりが南風原消防署第一警備課に所属する仲里聖称さんだ。浦添工業高校卒業後、救急救命士を志して関西に渡り、神戸医療福祉専門学校へ。専門学校でも同期55人のうち女性は仲里さん含め5人しかいなかったという。小さい頃の夢は「お嫁さん」。 中学生になってからも特別な目標や将来の夢を持たず、専業主婦になるものと思っていた。花嫁修業のつもりで工業高校の調理科に進学し、卒業後の進路についてもとくに考えてはいなかった。そんな仲里さんの人生を変える出来事が突然起きた。「高校2年の頃、偶然街で救急車を見たんです。倒れている人と周囲で慌てているひとたちがいる中で、救急車のサイレンがとても心強く感じて、そのときに救急救命士という仕事を知って、将来の仕事にしたいと思うようになりました」 危険も伴う救急の現場を目指すという選択に、家族の反対もあったが、仲里さんの決意は固かった。部活動を続けながら塾に通って猛勉強し、専門学校に合格。専門学校でも勉強に励み、国家試験に一発合格。晴れて地元沖縄で救急救命士の職につくこととなった。「高校2年まであまり勉強をしてこなかったのに、いきなり勉強の虫になったので、周りも驚いていました。高校、専門と、遊びに行ったり趣味を楽しんだりという記憶はほとんどないですね。友達が映画に行ったりプリクラ撮りに行ったりするのをうらやましいなと思うこともありましたけど、夢を叶えるために我慢して勉強していました」 はじめのうちは厳しい訓練についていくのがやっとで、24時間勤務という生活スタイルにもなかなか慣れずに体調を崩すこともあったが、勤続4年目となった今では男性の同僚に遅れを取ることなく日々の業務にあたっている。「性別を特に意識することはないですが、女性の患者さんやご家族の場合、相手が女性のほうが安心して話せるということもあると思います。男性に負けないようにと肩肘張りすぎると、せっかく持っている個性も活かされないので、女性ならではのやさしい言葉遣いや相手をほっとさせる笑顔を心がけています」 傷病者ひとりひとりにていねいに接することを心がけるうちに、「ありがとう」 「あなたが担当でよかった」 と声をかけられることも増えた。体力的にも精神的にもきつい仕事ではあるが、そんな言葉をもらえたときは、疲れが消えていくという。「これから女性の救急救命士がもっと増えるようにわたしも頑張りたいです」と笑顔で語った。
24時間勤務となり、デスクワークや休憩時間にも常に緊急連絡に備えている
救急、警防の両方を担当。 救急車、ポンプ車の点検も重要な仕事のひとつ
★施設DATA
東部消防組合消防本部
東部消防組合消防本部では、「住みたいまち」「住みやすいまち」「安心なまち」をテーマに消防・救急出動はもちろんのこと、応急手当などの講習会も定期的に開催し、地域住民の健康と命を守る活動に尽力している。今回取材した仲里さんをはじめ、女性の救急救命士も活躍し、性別に関係なく働きやすい職場環境を目指している。
沖縄県島尻郡南風原町与那覇226
☎︎098-945-2200