【嘉⼿納⾼等学校】⽣活園芸の授業でたくさんの ⼤切なことを学んだ

沖縄の高校力 Dream INTERVIEW
嘉⼿納⾼等学校(⽣活園芸)

左上:知念 陽来 総合学科3年。左中:当真 嗣紋 総合学科3年。右中:林 優太 総合学科3年。右上:当山 琉星 総合学科3年。左下:古我知 南衣 総合学科3年。右下:砂川 梨花 総合学科3年。

⾃分たちで育てた農薬不使⽤の野菜を地域に還元

セロリがつないだ地域のご縁

沖縄の⾼校⽣が育てたセロリを使⽤したスープが『飲む美容液』と呼ばれていると評判になり、Yahooニュースにも掲載されたことがあった。その学校は嘉⼿納⾼校。実際にセロリの栽培に関わっている2名の⽣徒さんにお話を伺った。嘉手納高校は地域唯一の総合学科高校として「地域社会に開かれた教育課程」を展開している。その中の1つに生活園芸という科目があり、授業の⼀環で化学肥料も農薬も使わない野菜を育てていて、それを地域に還元したいと考えていた。嘉⼿納町内のお店『発酵ボーンブロス専⾨店&ベーカリー柘榴⽯GARNET』には、⽣活園芸担当の先⽣の教え⼦が働いていて、そのつながりで⽣徒が育てたセロリを提供する流れになったという。無農薬で育てたセロリが使われたスープは、セロリが苦⼿な⼈でも美味しく感じたそうだ。学校ではセロリの他にも季節ごとにいろいろな野菜を育てていて、今はオクラやトウモロコシなどの夏野菜を栽培している。ジャガイモや⽟ねぎなどを育てたときは、収穫後にカレー作りも⾏い、調理の準備から⽚付けまでを経験した。砂川さんは「給⾷を作る⽅の⼤変さがわかり、社会って⼤変なことを担当する⽅がいて成り⽴っていると、感謝の気持ちを持った」と語る。

持続可能なSDGsを意識した取り組み

嘉⼿納⾼校では年に1回発表会があり、⽣徒が育てた作物を⼀般の⽅にも販売している。発表会の当⽇は、朝早く学校に登校し畑から野菜を収穫する。「野菜を収穫するのも⼤変だったが、気温の低い中、野菜を洗う⽔も冷たくて、これを毎⽇⾏う農家さんは重労働だと感じた」と話す砂川さん。マリーゴールドやアメリカンブルーなどのお花を販売した古我知さんは「もともとお花は好きで、他にもいろいろな種類のお花を育ててみたい」と意欲的だ。学校で収穫したオクラと、⼀般的な栽培⽅法のオクラの⾷べ⽐べをしたこともあった。⽣徒だけでなく職員も試⾷しアンケートを取った結果、男⼥で選んだ野菜は違っていた。⼥性は無農薬のオクラを選ぶ⼈が多く、男性の多くは肥料を使ったオクラを選んだという。「肥料など使いすぎは良くないけれどバランスが⼤切」と砂川さんは感じたそうだ。嘉⼿納⾼校ではSDGsを意識した取り組みも⾏なっている。畑や花壇の雑草や、校内で伐採した⽊などを嘉⼿納町のリサイクルセンターに運び、お返しに受け取ったチップや堆肥を再び畑で利⽤する。畑のお⼿⼊れは⾍もいて⼤変だけど嫌だと思ったことはないそうだ。⽣活園芸で幅広いことを学んだ⽣徒の皆さんは、きっと卒業後も⼀味違う視点を持って動くことだろう。

『発酵ボーンブロス専⾨店&ベーカリー柘榴⽯GARNET』に、学校の畑で育てたセロリを納品したときの様⼦

生活園芸の授業の中で、畑で育てたセロリが地域に広がり、そして学びもご縁も広がっていった。

沖縄の高校力 2024 嘉手納高校 総合学科 生活園芸

※学年や実績など、内容は全て取材当時のものです。

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