【お仕事見学】建築士のお仕事

自分の仕事は「暮らし方の提案」をすること

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ただ“設計をする人”になりたくない。家とは住む人が安心に過ごせる場所、家とは住む人の暮らしを支える場所。
だから自分は“家をつくる人”になりたい。そう語る棚原さんに話を聞いた。

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棚原さんが実際に設計し、完成した物件。

一度は違う道に進もうとしたこともあった。でも自分が好きなことをしたいと思ったから。

建築士とは設計に必要な技術はもちろん、建築基準法といった法律の知識も必要となる建築のプロだ。国家資格を有したものだけが名乗れる呼称である。今回は一級建築士として、住宅設計をしている棚原さんに話を聞いた。
「小さいころ、大工の父に影響を受けて、自分も大工になりたいと思った。そして父から建築士という職を教えてもらったとき、“自分が設計した家を父が建てる”、そんな夢が生まれたんです」。そんな彼だが、一度は違う道へ進もうとしたこともあったという。「高校に上がるタイミングで教員になりたいと思って、建築が学べる高校へは行きませんでした」。しかし、あらためて自身の将来に向き合ったとき、やっぱり自分は建築士になりたい、そう強く思い高校卒業後は大学校へ進学し建築学を学んだ。「大学校を卒業してからは、働きながら国試に向けて勉強の日々。高校が進学校だったので、そこで培われた勉強方法が役に立ちましたね。遠回りしてしまったかもと思っていたけど、人生に無駄はないんだと体感しました」。無事に二級建築士資格を取得し、いずれ独立することを視野に入れ、その後も飽くことなく学びを続け一級建築士資格も取得した。そして2022年4月、見事独立を果たし、大工である父とともに、家を建てている。
独立してから働き方が少し変わったという棚原さん。お客様との打ち合わせや、建設予定地や工事中の現場におもむいての確認があるため、毎日同じ業務スケジュールとはいかないものの、家族との時間や自身の時間を存分に取れるように工夫している。「我々の業界でも朝も昼も夜もないという働き方をする場所もいまだにある。そんな働き方は変えていきたいです」と後世を育てるため、業界の未来も考えている。
「“ただ家を提案する人”ではなく“暮らし方を提案する人”でありたい」、棚原さんは仕事をする上で、この考えを大切にしている。自身が設計を担当したお客様に、家を建ててからライフスタイルが変わったと言われたことがあり、その想いがより強くなったという。「初めて直接感想を聞かせてもらったとき、自分の仕事で人の暮らし方を変えることができるんだって感動しましたね。同時に、自分の仕事は間取りじゃなくて暮らし方を提案しているんだと、より強い責任感を持って仕事に取り組むようになりました」。これからも住む人が安心して暮らし、早く帰りたくなるような家を作っていきたいと話してくれた。
最後に読者に向けてのアドバイスをお願いした。「まずは自分に素直に行動してみる。将来を見つけるために、いろんなことを経験してほしいです。人生において仕事をしている期間ってすごく長いので、自分が楽しいと思えることを生業にするといいと思っています」。

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お客様の要望を聞き、視覚的イメージがわかりやすいように模型を作成する。ある程度の構造が固まってきたら壁紙の色や質感など、より具体的なイメージを作成していく。

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Profile

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棚原彰悟さん
建築士
北中城村出身。沖縄職業能力開発大学校(住居環境科)卒業。父親が営んできた「棚原内装」と建築士の仕事をひとつにし「T home 株式会社」を設立。大工がいる設計事務所として、設計から施工までお客様に寄り添った家づくりをしている。建築士として環境問題など社会的な問題にも目を向け、沖縄の環境に適した家づくりを追求している。

2011年4月~2018年3月 (株)建築設計同人匠才庵 所属
2018年4月~2022年3月 (株)福地組 所属
2022年4月        T home 株式会社を起業

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